『夜回り先生と夜眠れない子どもたち』
『夜回り先生と夜眠れない子どもたち』
最近文学が続いたので、今日はノンフィクションを紹介します。
少し前にこの水谷先生の存在を知って、彼の活動に感銘を受けました。
水谷先生は元定時制高校の先生で、深夜の夜の街をパトロールして非行少年少女たちの話を聞いたり、リストカットや薬物の乱用に悩む生徒のメール・電話対応をしたり、全国で講演会を開催したりされています。
彼の信念とやさしさは本当に美しいです。
しかも一見余計なお世話に思える彼の活動も、水谷先生がすると全くそんな印象を受けません。
ユーモアのセンスもあるし、自分の間違いや欠点を正直に明かすことに抵抗のない先生は、本当に親しみ深く、彼の本を読んで私も勝手に先生と仲良くなった気分でいます。
今日は水谷先生が書かれた作品をいくつか読みましたが、この本が写真もたくさん入っていて一番読みやすいです。
この本を読んで皮肉にも感じたのが、人間の美しさです。
大人によって汚されて「夜の街」に繰り出す子どもたちは、一見決して美しいとは言えなくて、軽蔑してしまう人もいるかと思います。
でも、彼らに対して愛情を注ぎ、かつタフな感じや子どもから親しまれやすい雰囲気を出すことができる水谷先生はまさに天使です。
そして水谷先生は子どもたちの美しい側面を見事に引き出すことが出来ます。
この本はもちろん全て事実に基づいているのでしょうが、あまりに私の生活からはかけ離れた世界で、非現実的に思えてしまう場面もありました。
でもこの本に綴られた最悪の状況こそが現実だと言う子どもたちもたくさんいるのです。
衝撃を受けるとともに、水谷先生と接した後の子どもたちのサクセスストーリーを読むのも素敵です。
過去に色々あったけど、先生と一緒に明日をつくろうとする子どもたち。
そしてそれを支える大人たち。
児童虐待や行方不明の子どものニュースが絶えませんが、世の中にはこういうことをする本当にひどい大人がいる一方で、水谷先生や彼を支える先生や専門家の方のように、本当に素晴らしい大人もいます。
より多くの子供がこういう素敵な大人に出会い、幸せになれたらいいですね。
私も水谷先生のような強い大人になりたいです。